腹が減っては戦はできぬ?

以前血圧のお話はブログで扱いました。

血圧の目標とは?  

 

今回は生物の歴史から高血圧について少し考えてみましょう。

約4憶年前にそれまで海の中にいた生物は陸にあがったと考えられています。

海の中には塩分が豊富ですが、陸には塩分が少ないため塩を体内に保持する力をあげる必要がありました。それが現在塩分をとりすぎると血圧が上がってしまう原因にもなっていると考えられます。

また、海から陸に上がる際には重力がかかるため、酸素を臓器にいきわたらせるために血圧を高くする必要があったとも考えられています。

『敵に塩を送る』ということばがあるように塩がなければ人間は血圧を保持することができず力が入りません。

『腹が減っては戦はできぬ』はいいかえれば「塩がなければ血圧が下がってたちくらむ」ともいえると思います。

ここで塩と糖を混同しないように注意してください。

糖をとれば力が出る?これは糖尿病においては端的にいえば間違いです。

糖尿病は糖が溢れて困っている病気です。

もちろん糖尿病がなく、たとえば癌を患ってやせ細った入院中の高齢者であれば糖分は必要です。

バナナには栄養が満点!栄養ドリンクで栄養補充!

こんなイメージはそこから来ていると思います。

血糖値のコントロールが目標より高くなってしまっている状態において、果物や糖入り飲料の摂取は体にとってマイナスと考えてよいと思います。

風邪をひいたときもそうですよね。『スポーツドリンクで塩分摂取!塩飴で熱中症予防』よくあると思います。

塩分は確かに必要です。しかし糖尿病においては糖分が過剰になってしまいます。

そういった状況では塩と糖を分けて考えるとよいでしょう。

糖尿病の方の熱中症予防には梅干しをタブレットにした製品などがおすすめです。

血圧と糖尿病は合併することが多く、互いが悪さをしあうのも事実ですが治療においては分けて考える必要があることもあります。

具体的ケースについては状況によって異なるのでかかりつけ医、もしくは医療スタッフにお尋ねくださいね。

 


海老名総合病院の新棟を見学に行ってきました。

海老名総合病院の新棟が完成しました。

ご存じの通り海老名総合病院は海老名市で重症の患者さんの診療をする中核となる病院です。

大きい病院は待ち時間が長く、その割に診察時間は短くつらい思いをすることが多いので嫌な印象を持つことが多いです。

(自身の東海大の外来も現在待ち時間が非常に長く大変申し訳ない状況です。)

しかし、海老名総合病院さんでは今回救命センター、ICU、手術室などの拡大を行い

受け入れ態勢の増強が行われています。

本当に困ったときに助けてくれる病院がスケールアップするのは本当に助かることです。

医師にもいろいろな方がおられますが現在の海老名総合病院の救命センターの先生は

大変尊敬できる先生方で構成されています。

同じく糖尿病センターの先生方も素敵で優秀な先生方ばかりです。

CTやMRIの検査も病院の外から予約が取りやすくなるようにバージョンアップが繰り返し行われており

中の方々の努力が伝わってきます。

地域の医療が良い方向に変化していくのは非常に好ましいことですね。


本日16時最終受付 明日13日は休診です。

糖尿病学会に出席するため本日16時最終受付 明日13日は休診です。

どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

糖尿病の分野はこのこの10年で大きく変わってきました。

低血糖を起こしずらいお薬に代表され、体重を落としやすいお薬、

食欲に働きかけるお薬など。

いまや10を超える種類のお薬が処方されています。

糖尿病治療の難しいところは人それぞれ最適解が異なることです。

もし現在の治療にご不満、ご不明な点がありましたら、

それぞれ、医師、看護師、薬剤師、栄養士などに遠慮なくお尋ねいただければと思います。