題名の通りなのですが、みかんそのものとミカンジュースが血糖値に与える影響は違うのでしょうか?結論から言うと違います。
みかんとミカンジュース、りんごとリンゴジュース、トウモロコシとコーンスープ、世の中の炭水化物は姿を変えて調理されることが多くあります。『原材料が同じだから成分は同じなので与える影響は変わらないはず。』と思うかもしれません。しかし血糖値を自宅で計測したことのある多くの患者さんは液体成分の方が血糖値が上昇しやすいことに気付いているはずです。
この理由はいくつかあるのですが、一つは液体だと胃袋で保持されず速やかに腸に進み吸収される。そして腸で処理しきれない分は肝臓にたまり脂肪肝となりインスリンが効きにくくなる原因となる。とアメリカの研究者は解説しています。(英語が得意で元論文に興味があるかたはこちらへ Nutrients. 2020 Jan; 12(1): 94. PMID: 31905727)
産業革命以降、サトウキビやトウモロコシから生成されるコーンシロップ(いわゆる果糖液糖ブドウ糖)の使用は20年間で10倍に激増しており、世界の肥満の原因となっていると考えられています。本研究では基礎的な部分から果糖の血糖上昇のメカニズムを説明しています。(かなり難しい話で自分もすべては理解できません。。。)また果糖が高尿酸血症を起こし、糖尿病の始まりである可能性も指摘しています。
言わずもがな日本は資本主義であり効率の良い食品生産が進んでいます。冷凍食品など便利で栄養価の高いものも発売される一方、『安い、早い、うまい』ものは炭水化物、時に果糖液糖ブドウ糖などに頼ったものになりがちです。
食品を選ぶ際には成分表示をしっかり確認することで、なるべく自然の形を保ったものを選ぶことが血糖値をうまくコントロールする一つのポイントかもしれません。ジュースやお菓子のみならず、純粋なお肉だと思っていたものなどに果糖液糖ブドウ糖などが含まれていることにも気づくと思います。