インスリンは怖い?

「インスリンは怖いものだ」

「だいたい低血糖を起こし救急車で運ばれる」

「近所の人はインスリンを打ち始めた後に亡くなった。だからあれを打ったらもうおしまいだ」

「いちど打ったら一生やめられない」

 

はい!当然間違いですね。誤解の原因は

✔ 1型糖尿病と2型糖尿病の区別がついていないこと

✔ 2型糖尿病の中でもインスリン分泌能力の差があることを知らないこと

です。

 

2型糖尿病は太っている人がなる病気でしょうか?

この考え方は正しくありません。

 

アメリカ人と日本人どちらが糖尿病が多いでしょうか?

摂取カロリーが多いのはアメリカ人で自動車保有率の高いのはアメリカ人です。

でも2型糖尿病の発症率は同程度なのです。

 

これはインスリンを出す膵臓という臓器の力の違いが影響しています。

 

すごく単純に申し上げると、体重の多い2型の患者さんはやせれば糖尿病は良くなります。

しかしやせている2型糖尿病の患者さんはこれ以上やせることはできません。

 

糖尿病で通院中のみなさんは自分のインスリン分泌能力をご存知ですか?

これがなんとなくでもわかる人はバッチリです。

これがまったくわからない人は要注意かもしれません。

 

空腹時採血で知ることができますので診察時にお申し出ください。

(採血が必要と思われる患者さんには診察室で案内しているはずですよ)

 

ちなみに当院のデータではインスリンが開始になった2型糖尿病患者さんのうち

(不定期通院や過度の飲酒の患者さんを除き)

約50%はインスリンを離脱することができています。

 

当院は開院してまだ3年ですが

入院が必要なレベルで高血糖であった患者さんでも通院を終了し

当院を卒業し健康診断でフォローとなった方も複数おられます。

 

基本的にインスリンはとても良い物です。

自身の体から出ている足りないものを補充するイメージです。

インスリンが発見されて約100年。

医学は日進月歩です。つい10年前と比べてもまるで別の世界のようです。

インスリンも細かく進化しています。

 

自己血糖測定器やポンプ、持続血糖測定器しかりです。

当院では専門の知識をもった医師と、スタッフが対応いたしますので

疑問に感じたことはなんなりとご相談ください。