牛乳は10回噛んで?

暑いですね!熱中症のニュースが多いですが、皆さま体調はお変わりないでしょうか?(糖尿病と熱中症、脱水についてもそのうち書かなくてはと思っています。)

今日の題名、私の祖母の良く言っていた言葉です。

小学生の頃、『??なんでだろうな?? よく意味が分からないな』と正直思っていました。暑い日に冷たい飲み物を一気にのんだらおいしいですよね。

たしかに冷たい飲み物や熱い食べ物などは食道がんのリスクなどになるのですが、今回は糖尿病のお話しです。

糖尿病は食事と関係の強い病気ですよね。たとえば野菜から先に食べるベジファーストだったり、寝る前に食べないようにしたり、食事の間隔をあけ過ぎないようにしたり。

いろいろとコツはあるのですがその中でも『食事を食べるスピード』が糖尿病との関連が深いという研究が福島県立医科大学から世界に向けて出ています。(Sci Rep. 2019 Jun 3;9(1):8210)

別に同じカロリーを食べるのだから速度は関係ないのでは?と思うかもしれないのですが、これにはストレスだったり咀嚼のエネルギーだったり理由がいくつかあって詳細は省くのですが、個人的に気になるポイントを一つ。

よく噛むと唾液が多く出て、その刺激で腸からGLP-1といって血糖値を下げてくれるホルモンが分泌される可能性があるということです。

このGLP-1というのは最近10年くらいの注射薬で、インスリンとは異なる低血糖を起こさず体重増加も起こさないホルモンのことです。

もちろん私の祖母は普通の主婦でしたからGLP-1を知っていたかというとそんなわけはありません。

『牛乳を10回噛んで飲みなさい』というのはおなかを冷やさないとか、そういう意味だったと思うのですが糖尿病についてもゆっくりよく噛むのは意味があるということです。

外食チェーンでは平均食事時間が3.5分というところもあるそうです。理想は野菜5分、お肉などの主菜5分、米10分 計20分とされているようです。

お仕事をされている方の一部には『食事を早く食べるのが優秀な証』のような考え方もあるかもしれません。今一度食事の速度を見直してみませんか?

もしご家族と一緒に食べるのであれば最後に食べ終わる。外食をするなら同時に頼んだ人よりも遅く食べ終わるだけでも良いかもしれません。

そんな小さな習慣の積み重ねが血糖値の改善につながるかもしれません。

ベジファーストについても芋やトウモロコシを避けるなどポイントがございます。

当院では管理栄養士による栄養指導も行っておりますし、診療の時にもし疑問点がございましたら直接院長までぜひお尋ねください。