近年の成人糖尿病有病率はおおよそ10%と言われており、平均年齢は65才程度です。
10代、20代、30代の方も増えていますが一般的には40代以降に指摘されることが多い病気です。
よくある疑問は『最近は昔と比べてそんなに食べていないしお酒の量も減ったのだけど、、、』といったものです。
そうですよね、大学生の頃は朝までお酒を飲んだり、、入社したての頃は忙しくてカップ麺とスナック菓子でおなかを満たしたり、育児を始めた頃は食べてすぐ寝てしまったりということがあったかもしれませんが、40代50代となってくるとそういった事は減っているはずです。
それなのになぜ40代50代になって糖尿病を発症するのか??
一つの意見として『糖尿病は初めて指摘される25年程前から始まっている。』(Type 2 Diabetes: When Does It Start? PMID: 29732459)というデータがあります。
若いころの暴飲暴食、とまではいかずとも炭水化物中心の食事、食べるスピードの早さ、野菜不足、糖入り飲料の過剰などなどが積もり積もって糖尿病の発症に至るのです。
糖尿病が治らない と良く言われる原因はここにあると思います。
つまり25年分の結果を1か月や2か月で完治するというのは理論上困難な訳です。
しかし一つ一つ丁寧にみてゆけば改善の余地は十分にあります。
食事、運動、お薬、検査、これらを組み合わせて最適解を探してゆきます。
糖尿病診療の難しいところは答えが人それぞれ違うところです。
今後の見通しなども刻々と変化することがあります。
なかなか病院に患者さん自身の御意見を伝えるのは難しいかもしれませんが、もし現在の治療内容、診察内容にご不満があれば遠慮なくお申し出いただくとより良いかと思われます。という自分もお医者さんに意見を伝えるのは苦手なタイプです、、、(このブログは院長が書いています)
今後の見通し、治療内容、何を許容して何を防がねばならないのか、共有できれば良いのではないかと思います。