2024年2月21日に米国FDA(Food and Drug Administration 日本でいう厚生労働省のようなもの)から注意喚起がなされました。
現在日本でもオンラインショッピングを中心に『血糖測定機能付き』と謳ったスマートウォッチが販売されています。
「これらの販売者は『針を刺さずに血糖値を測定できる』と主張していますが、FDAはその安全性について認可しておらず、その広告を信用することで血糖値を誤解し糖尿病の管理の失敗につながる可能性がある」と警告しています。特に「誤った血糖値を信用し、インスリンや各種薬剤を自己調整した場合、数時間以内に危険な水準の低血糖に陥り、意識障害及び死に至る可能性がある。」としています。
これについては100%同意するもので当院の患者さんも何人か購入してしまい実物を見せていただきました。実際には全く意味1日3回定期的にそれらしき山型の波形が、食事に関係なく表示されるだけのものでした。
アップルの何万もするapplewatchに機能が搭載されておらず数千円のものに搭載されている理由はなんでしょうか?もし本当に侵襲性がなく血糖値がリアルタイムで見れるのであれば厚労省が認可し保険適応になるはずです。それは我々がずっと待ち望んでいるものだからです。
もし周りでそういったスマートウォッチの購入を検討されている方がいればぜひ一度よく考えるようにお伝えください。
誤解がないようにお伝えしておきますが昨今、皮膚にパッチを張り付けるとスマートフォンに血糖値がリアルタイムで送信される機器が医療現場で実用されていますし当院でも多くの方が使用しています。具体的には『フリースタイルリブレ』『ガーディアンコネクト』『G6』などというFGM、CGMと呼ばれる持続皮下血糖測定器というものです。これは皮膚の下に細い管を留置し、間質液といって体液の糖濃度を測定し計算式にあてはめ血糖値を推測するものです。これらについては条件こそあるものの、比較的コントロールが難しい状態の糖尿病患者さんには保険適応が拡大されています。確かに血糖値をよく反映しますし当院含めた現場で多くの患者さんに役立っています。